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おすしやさんがやってきた

ある、夏の暑い日のこと。
玄関のチャイムの音とともにひとつの箱が届きました。
中にはレトルトのカレーに牛丼、そして一冊の絵本。
絵本を開くと、そこには「当選しました。」と書かれた一枚の白い紙が…

なんの話やら?ですよね。
話の始まりは、OyadicaAが「酢飯屋」さんという方と知り合ったこと。
ちょっとユニークなスタイルのお寿司屋さんで、本年めでたく10周年!を迎えられたそう。
記念として、「お寿司屋さんが育てた牛のカレーと牛丼」と、生きものが食べものになるまでを丁寧に追った絵本「おすしやさんにいらっしゃい!」のセットを購入した方のなかから、幸運な数名には自宅まで出張寿司屋に伺います、というおっきいオマケをつけた企画をされていました。
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そんな面白い企画!ダメでもともと、当選しなくても美味しいレトルトと絵本は手に入るのだから応募購入してみようと、ポチり。
くじ運が良い方ではないので、まあ期待していなかったのですが、
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当たったの!
びっくりしたーー。本の間にひらりとシレッと当たりくじが挟まっていて、間違いかと三度見くらいしました。数年分?もしかしたら一生分?の運を使い果たしちゃったかな、と思います。
というのが7月の出来事。

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おすしやさんがいらっしゃる、当日。秋晴れの気持ちよい日。

二人じゃ心細いわけではないけれど、折角のこんな面白いイベントを一緒に楽しんでくれそうな小林さんもお誘いして、この日には予定を入れないよう、体調を崩さないよう、慎重に慎重に過ごした数ヶ月ののち、待ちに待ったお寿司屋さんがいらっしゃる日になりました。
ケータリングもほぼ頼んだことないし、そもそもお寿司屋さんが家に来る経験なんて皆無だから、数日前どころか数週間前からソワソワしてしまって、何を用意すればいいのか、どこまで掃除しておけばいいのか、知り合いだけど出張料理人だし、どういう立ち位置でどうお迎えすればいいの?と軽くパニックになりそうでした。

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近年稀にみる掃除っぷり。



いよいよ…
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来た。
なんてことでしょう。
ウチの家にお寿司屋さんがいる。
コスプレではありません。ホンモノです。

お店で仕込んできた本日のタネが入ったトロ箱と、酢飯をいれた綺麗な御櫃、まな板を携え、想像していたより軽やかにいらっしゃいました。
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キリリとお寿司がウチの家で握られているの図。


タネはどれも酢飯屋・岡田さんが釣ったり、生産の現地をみて仕入れているもの。
魚にあわせて、調理方法も、醤油も塩もお酢もコメも変えて、いろんな味わいを経験させていただきました。お寿司自体も久しぶりだし、状況もスペシャルだし、話も興味深いし、お寿司屋さんひとりじめできることなんて、そうはないことだし、ゼータクだなぁ。
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面白かった「いか糀」。
兵庫県の郷土料理だそうですが、元々のものは保存に重きを置いていて味が強すぎるところを、いまに即したかたちに軽やかにしたもの。

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車海老の握り。それと、少し甲殻類アレルギーのあるOyadicaAのための柱寿司。この柱、真珠を採る過程ででてくるあこや貝の貝柱。なんだか贅沢。

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酒粕に漬けたキンメダイ。お寿司では食べない味わいがおもしろい。

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私が所望したシャリオンリーの握り。
お米もお酢もタネに合わせて選んでいるなら、それ単体も味わってみたいな、と。
ふむふむ。

最後のかわいい干瓢巻きまで、本当に楽しく美味しくいただきました。とろとろの干瓢、おいしかったな。

ご一緒した小林さんの差し入れのワインもまた美味しくて。
ご友人が九十九里でワイナリーをされていて、そこでできた微発泡のロゼ。ポップなラベルに反して、辛すぎないし強すぎないし、するりと喉に落ちていく感じがとても美味しいワインでした。
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そしてお土産?にいただいた海苔と青のり。
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この海苔は、光合成していない、栄養をため込んでいる夜の間に採った海苔だそう。くらい海で真っ黒な海苔を採る…ちょっと想像しただけでもものすごくありがたい…!気持ちになります。そしてうまい。

もうひとつの青のりは、本来四万十川でしかとれない、すじあおのり。養殖に成功して、この希少な青のりがもう少し手の届きやすいものになったそう。とっても香りが良いです。
そしてトーストにバター+塩ぱらり+この香り良い青のりが美味しいと聞いたので…
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翌朝さっそく。

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夜は茹でてオリーブオイルで焼いたジャガイモに。

どちらもウェブで購入できちゃいます!
すじあおのり→https://seavegetable.official.ec/
夜摘み塩のり→https://www.sumeshiya.com/ichiba/item/shio-nori.html

ソワソワな数週間を経てのスペシャルなお寿司の夜。
それはただただ美味しい時間だった、というだけでなく、その生きものが私の口に入るまでの道筋を話す時間でもありました。
食べることについて知らないことが多いな、と新しい食べものや新しいひとに会うたびに思うのです。


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これは小林さんに激写されたヤツ。興奮と戸惑いの1枚。



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by oyadica | 2021-10-12 12:30 | Oyadica at table | Comments(0)

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