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修理をして使う、ということ。

もの直しブログのカテゴリーなのか判らないが、自分で修理の話ではなく、プロの修理屋さんに直してもらう事について。

この何年かで、いくつかのものを修理してもらった。
過去の写真ファイルを漁ってみるとしょっ中いろいろな方に直してもらってる。
オートバイ、カメラのレンズ、アルミのトランク、柳行李のトランク、長傘と折り畳み傘、ハサミ、フライパン、服・・・・
何度もお願いしている方もいれば、今回は失敗だったなってところ、もうお願いする事はないなと思うところなど、いろいろ。思入れが強いから直してもらってまで使うのだけれど、それに対して修理する人のセンスが微妙に合わなかったり、ちょっと雑じゃない?と思ってしまう修理だったり、ガッカリすることも少なくはない。
修理するプロ側の言い分もあるのは重々承知しているし、趣味で直すのとは違うのよと言う意見も判って居るつもりだ。
だから、お金とられてこの仕上がりなら、できるものなら仕上がり悪くても自分で修理するようになったところも大いにある。


1. キッチンバサミ
先日のブログで書いたハサミ修理。
包丁は自分で砥ぐが、ハサミは流石に無理。預けたはいいけれど、店舗は緊急事態宣言で休業になってしまった。ないと困るものだし、もう仕上がっているはずだし、どうしたもんかなと思って本店に連絡したら、お店のひとの機転のお陰で店舗再開を待たずに返ってきた。キッチンバサミって普通一本しか持っていないから、代車?のハサミを貸してくれれば、安心して何ヶ月でも待てるのにな。
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2.アルミのトランク
オカン愛用トランクのキャスター修理。
メーカーに連絡すると「表参道の店舗に持ち込んでいただければ1時間くらいで直せます」と言うのでえらく感心して、持ち込んでみたものの、キャスターは斜めについてるし、リベット1カ所打ち忘れてる。修理担当に電話したら佐川急便の人が取りに来て、再修理してくれることになった。
これはいいサービスの範疇なのか?雑なのか?それともLVMH傘下になってからからダメになったのか?
僕のリモワも30年近く使って一生ものだと思っていたけれど、今回の車輪が加水分解する壊れ方、ハンドルはもう部品がないのでココ壊れたら修理ができないと聞くと
一級品では無いと言うのが僕の結論。
厳しすぎるだろうか?
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3. 傘
相方が20年以上使ってる長傘、とうとう骨が錆びて折れてしまった。
入谷にある傘製造と修理の専門店へ。
輸入品だったために日本の既製品の骨が使えず、輸入の骨を加工してもらって心棒はそのままで張り直し。なにせ心棒の先は黒檀削って自分でつくったので、これは交換できない、というかしたくない。お陰で綺麗に直って満足。

最近の折り畳み傘は共用部品が少なく、製造メーカー専用品が多いらしく部分修理のつもりが取手も含め骨全交換になってしまい、一回り太い傘になってしまった。カバーがキツキツで仕舞いにくい。けど頑丈にはなった。
取っ手?持ち手?部分はもとの物を使ってくれるという話だったのに、結局は使えなかったらしくちょっとダサいものに交換されてしまった。それなら古い方を自分で付け替えようかと思ったけれど、修理中に無くしてしまったとかで返って来ず。うーん悪くはないけれど、折り畳み傘に関してはモヤッとする修理だった。
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4. レンズ
世界でもあまり聞かない「レンズの再コーティング、再研磨」。その道では有名な、新宿のレンズ修理専門店のおじいさんにお願いした。
夢見がちな画像だった50sのレンズもスッキリ、カッキリに。
2ヶ月近く待たされるけど、この方の仕事はいつも的確。レンズやカメラの扱いを見ていると本当にカメラ好きなんだなって感じる。
カメラオタクの人々界隈では賛否両論あるらしいが、以前にも20歳から使ってるカメラを直してもらって良くなった経験があるので、個人的には絶対的な信頼を置いている。
上が修理前、下が修理後。
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5. 行李トランク
以前のブログにも書いた「カバンの神様」、にお願いした柳行李のトランク修理。
行李部分以外、全部やり直してくれて仕上がりも綺麗。その分お値段もそれなりにかかった。
でも、でも、神様には本当に申し訳ないけど、僕の想像した仕上がりとは異なる「コレジャナイ感」
艶ありで仕上がって、アンティーク特有の華奢さ、落ち着きや風合いが無くなって、骨太になってしまった。


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6. オートバイ
愛車を修理してくださった方は、修理屋さんでは無いですが、エンジン設計のプロ。
とある修理屋に直してもらってから症状悪化した我が車両にほとほと手を焼いているところを、見兼ねて直してくださった。
単純に部品外し&交換だけでも僕には大変な作業だが、それ以上に、見極め・組み付け・調整・バランスが本当に大事なのを痛感。
「ちゃんとオートバイと向き合ってください、きちんと対応すればその通り返ってきますから」との重いお言葉とともに帰ってきた。
修理のレベルが高すぎて、やってもらった事の半分も理解・体感出来てないかもしれない。と思う。
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8. ストーブと煙突
煙突の強制換気が潰れ不完全燃焼しだした、45年モノの石油ストーブ。
もう煙突部品がないので、あと少しで廃棄になるところを、完璧に直していただいた。
煙突の強制換気扇は再製作、煙突はリビルト、ストーブは中古部品を使って修理。
修理屋さんから「部品がない煙突を、ダクト専門店に依頼して再作成してみては?」と提案してくれなかったら諦めていたと思う。
同型のストーブが見当たらないので新規で探すのは不可能だった上、かなり良心的な値段で直してもらった。あと30年は使えそう。

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巷では"SDGs"なる言葉が流行っているが、詳しく調べるとその注釈の中に
「その12. 作る責任、使う責任、持続可能な消費と生産のパターンを確保する」とあるが、そんな簡単に気軽にできる話なのか?と思ってしまう。「持続可能」を仮に使い続けるに言い換えるならば、それって結構エネルギーのかかることですよ。掃除する、状態をみる、ちゃんと手をかけて、買いっぱなしにしない。それが使うと言うことだと思う。そしてそれが出来る(修理できる)プロダクトがどんどん減っていると思うし、修理する環境もなくなっていっている。それじゃあ自分でなんとかしてみようと思った時にインターネットでかなりの叡智が拾えるようになったのは最近のありがたいことだけれど、SDGsに関しては言葉だけが先行している感じがして、なんだかなぁと思ってしまうのは僕だけだろうか。

僕は徹底して使い倒して新しいものをあまり買わない主義というか、直るならな直してみよう主義というか、あんまり捨てたくない主義というか。単にケチって話かもしれない。それもSDGs。ケチは世界を救う。

長々修理のことを書いてみたけれど、「新しいものを提案して買っていただきたい」プロダクトデザイナーとしてはあるまじき姿ではあるとも思う。だけど、こう言う職業だから、モノに愛着があり過ぎるから、何とか直して徹底的に使ってるんだなと、取っていただければ嬉しい。

さあ今日も僕のSDG's活動です。これから扇風機を直そうかな。




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by oyadica | 2021-06-20 10:35 | Oyadica days. | Comments(0)

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